探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.581【ヤマビル(ヒル)――広がる生息域】
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ヤマビル
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 先日、横川の行者道でヤマビルを確認したので、どの程度の密度で生息しているのか、湿度の高い雨模様の日に再び歩いてみた。
 これまで比叡山系で目にしたエリアは、仰木峠道から水井山北面と横川・西塔(峰道)の一部だけである。今では居住する地域の山際にある住宅までシカが出現するようになり、動物によって運ばれたのか玄関前にいたことが一度ある。
 この日は覚道坂から入山して牛ヶ平に登り、林道を歩いているとさっそくズボンに一匹発見。標高350m〜400mの植林地内だった。落葉の下や草の葉裏に潜み、二酸化炭素や温度の変化で動物を感知するという。すばやい動きは驚くほどで、ちょっと目を離すとかなりの距離を移動している。
 こんなところでザックを地面に置けば、家まで持ち帰ったり首筋や上半身から吸血される危険性も高い。頻繁にチェックするのが何よりの予防法で、塩を使う昔からの方法やハッカ油を使った忌避剤も効果がある。ただし、塗布濃度にムラがあると効果は半減する。一回の吸血で1〜2年は生きるとされ、雌雄同体なのでどんどん増える。安心なのは、ダニと違って病気の媒介者でないことだ。それでも、アレルギー体質者が血を吸われると、痒みや湿疹・ただれの拡大につながることがある。私も数年前からそうした症状に悩まされている。
 神宮寺山に寄り道して大宮川の林道へ出たところで足元を見たら、小さいのが靴に付着している。やはり、年月とともに生息域を広げている印象を受けた2時間の山歩きであった(2020.7.3)。
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