探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.871【和知の山里で】
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伐採後の斜面を彩るベニバナヤマシャクヤク
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ベニバナヤマシャクヤク(白花)
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ベニバナヤマシャクヤク(紅花)
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左=白花の生育地  右=紅花の生育地
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ヤマシャクヤク(袋果)
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左=オオバアサガラ  右=ヨウシュヤマゴボウ
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左=ミゾホオズキ  右=ウツギ
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左=ノアザミ  右=チョウジソウ
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左=マタタビ(花は終わり結実している)  右=エビネ
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 和知(京都府京丹波町)に住む友人から、「ベニバナヤマシャクヤクの花が咲き始めた」と連絡が来た。知り合いの住む地域に群生地があるらしく、「来ませんか?」との声に「ぜひ!」と天気のよい日を選んで出かける。
 京都府内では絶滅寸前種(2015年版)に指定され、雲ヶ畑(京都市)や内久保(南丹市美山)では保護活動がつづく〔環境省=絶滅危惧U類(UV)〕。減少の一番の原因は業者や個人の採取で、場所を特定できる情報は発信すべきでない。案内いただいた場所は山登りの対象とはならず、また一般に人が訪れる場所でないのも幸いだ。
 現地に着くと斜面に白花と紅花が交互に群生し、なかには混じって咲いているところもある。白に近いピンクや紅色の濃淡もある。少し離れてヤマシャクヤクがあり、こちらは花を終えて袋果ができていた。どうも住み分けているらしい。
 植林地の伐採が好環境を生んだのか、日当たりがよくなって増えているとのこと。高温多湿期は他の草花に隠れるので、植物にとってのダメージは抑えられるという。風によって種子が散らばり周囲に生息域を拡げているのかと思ったら、鳥によって運ばれる方が発芽する確率は高いそうだ。谷を挟んだ対岸にも株が散見できる。大きく成長した株の斜面は、まさに野菜畑である。
 常に観察していないとわからないことも多く、森林や自然との付き合い方を知っている人の言葉は納得することばかり。お聞きすれば、京都の府有林や森林組合林などに長年かかわってこられたようで、樹林や植生だけでなく鎮守の森の神木1本についても相談が寄せられる。
 セッコクが花をつける玄関先をはじめ、ご自宅周辺には草花がいろいろ咲いていた。ここには、人による圧力と開発がなされる前の山里風景がある。心地よい半日を過ごすことができた(2023.5.31)。
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セッコク
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